売掛金回収の最終手段

売掛金回収の最終手段としては訴訟を行うことになりますが、ここまできたら相手との関係は維持できないことも覚悟する必要があります。訴訟は、電話や書面での請求や公的に認められる内容証明郵便などでも支払いや話し合いに応じなかった場合や話し合いが決裂した時に使います。60万円以下の請求であれば、簡易裁判所による少額訴訟を行うこともできますが、それを超える金額の場合には通常の訴訟を行うことになります。その前に民事調停という裁判所の仲介による和解手続や裁判所を通して請求を行ってもらう支払い督促という手段もあります。

売掛金回収で訴訟を行う場合には、売り掛けの相手の財産を調べておくことも必要となります。売掛金を回収できるだけの財産が相手になければ訴訟に勝っても支払ってもらうことができません。訴訟を起こすためには準備も大掛かりとなるため、弁護士に依頼するなどの対策も必要です。

少額訴訟では、簡易裁判所で1回の審理で判決が出されます。コストも印紙など1万円程度で済む手続きです。通常の訴訟は一般的な裁判のイメージのもので、手続も複雑になり時間もコストもかかります。140万円以下の場合には簡易裁判所、それを超える場合には地方裁判所で行います。基本的には相手の所在地の裁判所で行われることになるため、交通費などの実費もかかります。

売掛金回収の初期段階

売掛金回収には、段階を踏んだ細かい流れがありましたが、初期段階で支払いの約束を改めて取り付けて、その約束どおりに支払ってもらうことが理想です。初期段階では自社と取引先との双方の話し合いだけで終わらせることができるため、時間もコストもかかりませんし、話し合いがスムーズに進めば相手との関係も良好なままです。その後の取引先の状況がよくなれば、そのまま継続的に取引関係を続けることもできます。

関係を良好に維持したままで売掛金回収を行うためには、書面や電話でのやり取りの中では取引先に対して強弁な態度を取らないことが大切です。支払いを促しつつも、相手の状況を配慮したり、行き違いで支払い済みになっていた際の侘びの言葉も添えます。また、最初の郵便物から内容証明を送りつけるのも避けた方が良い場合があります。内容証明は相手にこちらの真剣さや裁判も辞さない態度を伝えるために使うことがありますが、支払う気持ちがある人に対して使うと、仰々しさが却って相手の態度を硬化させてしまうことがあります。

また、話し合いを持つ場合には経営状態によっては相手から支払いの延期や分割などの提案をされることがあります。自社で認められる内容であれば、応じて歩み寄る態度も必要です。

売掛金回収の流れ

売掛金回収のトータルの流れとしては、書面や電話での請求、話し合いによる交渉、公的な文書による督促、裁判所での調停や訴訟となっています。段階を追うごとに、自分にも相手にも負担が大きくなり、双方の関係も争いの様相を見ることになるでしょう。そのため、慎重に状況を見極めて、できるだけ穏便な方法の段階で解決できる方法を考えることが必要です。

書面や電話での連絡は、もっとも軽い方法です。売掛金の入金日が過ぎてしまった段階で、取引先に対して連絡を入れて支払いを促します。それに対して、何らかの反応があればそれに合わせて対応を行います。支払いを待って欲しい、分割にして欲しいなどの相手の要望があれば、話し合いを行って新たな約束を取り付けます。こうした話し合いができない、支払いもされないといった場合には、公的な文書による督促を行います。

内容証明郵便であれば、契約内容や支払金額、期日などを明記することで請求した事実を郵便局が証明してくれます。これは後で訴訟になった場合などに、請求内容を認めてもらえ、債権の消滅時効をストップする効果を持っています。最終的には、裁判所で訴訟を行って、相手に売掛金の支払いを約束させ、実行されなければ強制執行で支払ってもらうことになります。

売掛金回収の方法

売掛金回収の方法には、いくつかの段階があります。売掛金は取引相手に対する債権であり、商品を売った代金を後払いにするという商売のやり方です。この方法では取引相手は代金を後回しにすることで現金をプールしたままで商売をできますし、自分たちもより大きな取引を行ったり、売り上げを維持して経営を安定させることができます。しかし、売掛金は「後で支払う」という約束の上で成立しているものですし、その約束は破られる可能性もあることを理解しておくことが必要です。約束が破られるのは、相手の裏切りが原因の場合もありますが、やむを得ない事情で起こることもあります。そのため、状況判断とそれに応じた対処の方法が必要です。

売掛金回収のトラブルは、約束が破られた、もしくは破られそうであるという状態で起こります。取引相手がすでに支払う気がないと言うこともありますが、場合によっては支払いたいけどできないケースや支払いたいけど遅れてしまっているケースなどもあります。そういった場合には慎重に行わないと、人間関係や取引関係にヒビが入り、相手先の状態が改善した時に次の取引を拒否されることになります。

売掛金回収は、こうした相手の状況をしっかりと判断しながら、段階に応じた適切な方法を用いて交渉や請求を行っていくことが大切です。当サイトでは、段階に応じた適切な売掛金の回収方法とそのやり方について紹介します。方法によっては細かな内容にも注意が必要だったり、事前の準備や手続が難しいものもあるため、専門家の意見や力が必要になることもありそうです。

参考|http://www.adire-saikenkaisyu.jp/debt_collection/accounts_receivable/